長くやってこられた秘訣

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フィギュアスケート、氷上の華
14歳の本田真凜が世界Jr初優勝。 浅田真央が語っていた重要な言葉。
投稿日時:2016/03/22 11:15  投稿者:田村明子
http://number.bunshun.jp/articles/-/825315

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SPを暫定2位で終え、FSでは映画「ビートルジュース」の曲に合わせで演じきり、優勝。村上佳菜子以来6年ぶりの快挙となった。

 3月19日、ハンガリーのデブレツェンで開催されていた世界ジュニア選手権で、14歳の本田真凜が初挑戦で優勝。SP、フリー、総合スコアと全て自己ベストスコアを更新して、日本女子としては史上7人目の世界ジュニアチャンピオンになった。

 全日本選手権銀メダリスト、15歳の樋口新葉はSP5位からフリーで挽回して総合3位に入賞。昨年度に続いて2度目の銅メダルを手にした。やはり初挑戦だった14歳の白岩優奈も総合4位と、日本チームは大健闘した。

 このところ世界ジュニア選手権の女子シングルは、ロシアに押されていた。2010年に村上佳菜子が優勝した後、5年連続でロシアの選手がタイトルを手にしてきたのだ。特に2013年、2014年はロシアが表彰台を独占。このままでは女子シングルの将来はロシア勢が圧勝していくのかという懸念もあった中、本大会では日本女子がスケート大国としての存在感を改めて世界に示した。

 異常に怪我人が多かったこの大会。

 日本の女子にとって素晴らしい結果を出した大会となったものの、今年の世界ジュニアは異常なほど怪我人が続出した。

 男子では優勝候補だった全日本ジュニアチャンピオンの山本草太が、出発直前の練習中に右足首を骨折して棄権という残念な結果になった。

 もう1人の優勝候補だったジュニアGPファイナルチャンピオン、米国のネイサン・チャンも1月の全米選手権のエキジビション中に股関節を傷めて急遽手術を受けることになり、代表に選ばれていたこの大会も、ボストン世界選手権も欠場することに。

 3人中2人が棄権したロシア女子。

 女子ではジュニアGPファイナルを制してここでも優勝候補視されていたロシアのポリーナ・ツルスカヤが、SP当日の公式練習中に右足首を捻挫して棄権。

 もう1人のロシア人、アリサ・フェドチキナはSPで本田真凜と66.11と同点ながら、技術点で1位に立っていた(同点のタイブレークは、SPでは技術点/エレメンツスコア、フリーでは5コンポーネンツが上の選手が上位に来る)。

 だがフリー演技直前にフロアでウォームアップをしている最中に、やはり右足首を捻挫するという事故に見舞われ、棄権となった。表彰台独占の可能性もささやかれていたロシア女子の中で、結局最後まで試合に残ったのは、2位に入賞したマリア・ソツコワのみだった。

 優勝候補4人が欠場という異常事態。

 見た目は優雅ながらも、体に過酷なスポーツであるフィギュアスケートにおいて、残念だが怪我は常について回るものである。これまでも多くの名選手たちが、怪我のため競技生活を断念し、姿を消していった。3月15日に惜しまれながら引退を発表した小塚崇彦も、競技生活の後半は怪我に苛まれていた1人である。

 それにしても、1つの大会でシングルだけで優勝候補の選手4人が怪我で棄権というのは、やはり異常といわなくてはならない。

 一体どうしてこのような事態となったのか。

 4回転に挑戦しはじめたジュニアたち。

 12月にバルセロナで開催されたジュニアとシニア合同のGPファイナルで、ジュニア男子のフリーは散々な内容だった。

 6選手中全員が1度以上の4回転に挑んだものの、ノーミスで滑りきった選手は皆無だったのである。転倒、ステップアウト、ジャンプのパンクなどが続出の、サバイバルゲームのような試合となった。

 昨シーズンの2014年ジュニアGPファイナルでは、フリーで4回転を入れてきたのは優勝した宇野昌磨と、5位だったボーヤン・ジンのみだった。わずか1シーズンの間に4回転の波は着実にジュニアの間にも広がってきたことがわかる。

 シニア男子のトップはSPで2度、フリーで3度の4回転を降りる時代になった。ジュニアのうちから4回転に挑戦していこうという風潮になったのは、ある意味当然の成り行きかもしれない。

 ISUが年齢制限を設けた理由。

 女子でも、トップを狙うのなら高度なレベルの3+3コンビネーションジャンプは必須である。女子は男子に比べて、体が軽いうちのほうがジャンプには有利だと一般的に言われている。それでもやはり、まだ骨や筋肉がきちんと成長しきっていないうちに体に過度な負担を与えることには、大きなリスクが伴う。

 こうした成長過程期にある選手たちの体の負担を踏まえて、ISUは今から20年前の1996年夏のISU総会で、世界選手権と五輪に出場するにはその前年の7月1日までに15歳に到達していなくてはならない、という年齢制限ルールを設けた。

 年齢制限免除で、体を壊したタラ・リピンスキー。

 だがこのルールが設定される3カ月前に、13歳でエドモントン世界選手権に出場していたタラ・リピンスキーは、すでに出場した実績があるとのことでこの新ルールから免除された。そして翌年1997年ローザンヌ世界選手権では、14歳で史上最年少の世界チャンピオンになった。さらに1998年には長野でフィギュア史上最年少の五輪チャンピオンになった後、体調不調を理由に競技から引退。

 しばらくプロとして活動したが、股関節の負傷でスケーターとしては再起不能と言われてアイスショーからも引退した。彼女が得意だった3ループ+3ループのコンビネーションジャンプなどが、育ちきっていない体に過度な負担を与えたのだろうといわれている。

 現在でも、リピンスキーは若すぎるうちに無理をして体をつぶしたアスリートの典型として、よく引き合いに出される。

 負傷をまぬがれてきた稀有な選手として……。

 だがその一方で、早いうちから難易度の高いジャンプに挑みながらも大きな怪我をまぬがれてきた選手もいる。浅田真央が、その1人である。

 彼女は2010年バンクーバー五輪では、女子で初めて合計3度の3アクセルを成功させ、4年後のソチ五輪では女子で唯一、トリプルアクセルを含む6種類の3回転ジャンプを試合で成功させるという偉業を成し遂げた。

 それでも、浅田はこれまで大きな怪我をすることなく息の長い選手活動を続けてきた。

 2015年12月のバルセロナGPファイナルでは、浅田真央に対して外国の記者から「長い競技生活を送るために、若い選手たちに何かアドバイスは」という質問が出た。

 浅田真央から若手たちへのアドバイス。

 浅田は「アドバイスですか!?」とちょっとこまったように笑顔を浮かべながらも、こう答えた。

「練習をたくさんすることは大切ですけれど、怪我をしてしまったらもう何もできない。私はそこまで大きな怪我をしたことがないというのが、ここまで長くやってこられた秘訣かなと思っています。若いうちは大丈夫でも、練習を終わったら、ちゃんとストレッチをしたり、ケアをしたりすることがやはり怪我をしないための秘訣かなと思います」

 彼女の発言が英訳され、さらにロシア語に訳されると横に座っていたラジオノワとメドベデワは、笑顔で浅田に「サンキュー」と応えた。

 スポーツが進化して、記録を伸ばしていくことは誰にも止められない。その戦いに参加しながらも、どうやって選手の体を守っていくかは、全てのスポーツ関係者が抱える課題であろう。

 その微妙なバランスを保つことに成功した選手だけが生き残っていく、過酷な世界だ。本田真凜、樋口新葉ら今のジュニア選手たちにも、今後大きな怪我をせずに浅田真央のように息の長い充実した選手生活を送っていってもらいたいと切に願う。

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真凜ちゃん、世界ジュニア優勝おめでとうございます!!(ノ´∀`)ノぉめでとぉ☆  (´∀`ノノ’`゚チ’`゚チ

真凛ちゃんは全然緊張しなかったということで、練習でできたことを本番できちんとこなしたのがすごいね。ノーミスで演じきったのが素晴らしい。

本田さん一家はお子さん、5人中4人がフィギュアスケートをしているなんて、裕福なご家庭なんだろうね。お父さんが元フィギュアスケート選手で、望結ちゃんと紗来ちゃんはタレントをしていて、容姿に恵まれた一家だね。

怪我が多いのは、高難度技に挑戦する選手が増えたからなんだろうね。出来栄えを重視して、慢心して高みを目指さないよりいい傾向だと思う。

年齢制限は設けない方がいいと私は思う。実力勝負じゃないと平等じゃないよ。

タラ・リピンスキーさんの頃に年齢制限がなかったから、長野であの演技が見れた。もし、年齢制限でタラさんが出なかったら、つまらなかったと思う。あの時にミシェル・クワンさんの方が大人の演技で、彼女が優勝すべきだったという意見が新聞に載っていた。

表現力が大人で妖艶であれば芸術点が高いので、技術点が優れている選手より上にくるというのは、スポーツではないと思うのだけどね。別の競技を設けて、そちらで競って貰いたいと思ってしまう。

真央さんがトリノ五輪に年齢制限がなくて、出場していたら、今の日本スケート連盟の体制はきっと違ったものになっていただろうなあと想像する。

15歳の時の真央さんには恐怖心がなかった。ただただスケートが楽しくてたまらないという様子だった。

真央さんが息が長く現役でいるのは、股関節が柔らかいからだと思う。そして、練習後のケアを念入りにしていること。それに、ジャンプで転倒しても、コケ方が上手なので、最悪の事態にならない。

転倒の仕方が下手な選手は転倒の際に打撲する場所が、その後の選手生命を左右する。真央選手は怪我を上手に避けるのも、人より優れている。

一番大事なのは、気持ちの切り替え方がすごい。驚異の忘却能力で、嫌な事はすぐ忘れてしまう。

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https://twitter.com/Mariakko2010/status/600296542893772800

変形ビールマンスピンができる程の驚異の柔軟性を持つ真央さんでも、度重なるジャンプの腰への負担で、腰に来てしまったようだ。今はソチ五輪後の休養と、上手に体を休める方法を身に付けて、身体の回復を上手くやっている様子。

真央さんは自分の年齢と上手に向き合っているように思う。
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