地元が盛り上がらない五輪①

世界大嫌韓時代 (MSムック)
世界大嫌韓時代 (MSムック) – 2015/12/19

開催危機が叫ばれる
冬季五輪あれからどうなった?


平昌五輪はご臨終?

朝比奈宏 ジャーナリスト

インフラ整備計画の白紙撤回に競技会場の建設の遅れ、
さらにそもそも雪不足・・・・・・開催危機が叫ばれていたが、あれから
事態は変わったのか?  最新情報をまとめてみる


本当に開催自体が危ないのか

 平昌(韓国名:ピョンチャン)オリンピック。開催まであと2年と少しという期間がありながら、開催の可能性がかなり危ぶまれている希有なオリンピックでもある。なぜ、ここまで、開催そのものに不安が広がっているのだろうか。万が一にも開催が不可能ということになれば、選手たちはもちろん、IOCのスタッフ、その他、多大な迷惑を世界中にかけることになるだろう。さまざまな憶測が流れ、開催はかなり難しいとの噂が囁かれているものの、実際のところはどうなっているのか。

 開催まで3年を切り、問題山積みの平昌オリンピックだが、どういった経緯により韓国での開催が決まったのか。時系列で簡単に追っていこう。

 2018年冬季オリンピックの開催地には、2009年10月15日の締め切りまでに、各国のオリンピック委員会(NOC)を通じて国際オリンピック委員会(IOC)に3都市が立候補の申請を行った。フランスのアヌシー、ドイツのミュンヘン、韓国の平昌の3都市である。

 平昌は過去、初めて挑んだ2010年の冬季オリンピックの開催地選考でバンクーバーに敗北、2014年大会選考でも2回目の投票で逆転負けを喫しており、2018年大会の立候補は負けられない戦いであった。ゆえに、国を挙げての招致活動に勤しむこととなる。招致の顔としては、あのキム・ヨナ選手を充て、さらには、汚職で服役中だった招致のプロ・李健熙を招致活動のために特赦として釈放。そのかいあってか、開催を決める投票では、1回目の投票で開催地に選ばれた都市としては史上最多となる63票を獲得。ついに、開催地に選ばれた。3度目の挑戦で雪辱を晴らした形だ。

 これほどまでの努力により掴んだ冬季オリンピック開催地の権利だったわけだが、まさか、今日のような醜態をさらす結果になろうとは。どの韓国人も予期していなかったはずだ。

「平昌では雪が降らない」の真相

 平昌オリンピックの開催が絶望視されている理由の第一は、雪不足の問題だ。

 韓国の東部、江原道にある平昌郡は、朝鮮半島を縦断する太白山脈の西側に位置している。たしかに、江原道は韓国国内においてもっとも雪の多い地域であり、韓国国内で冬季五輪を開催するのであればこの地域しか選択肢はなかったといわれる。ところが、江原道における降雪量は多くても1m足らずしかなく、さらに、その場所は太白山脈の東側、つまり日本海に沿った地域に限定される。山脈の西側に位置する平昌では、多い年でも40cm程度の積雪しか見込めないのが現実なのだ。

 しかも、2018年が暖冬の年に当たれば、一切雪が積もらない可能性すら出てくる。金や政治の問題と違い、こればかりは努力でどうこうできる問題ではない。

 苦肉の策として、
人工雪の使用も考えているというが、広いオリンピック会場全体を満たすほどの雪を用意するのは、現実的には不可能である。

 少なくとも、暖冬を考慮して確実に雪が確保できる他の会場も準備する必要があったのだが、結局のところ、計画は進んでいない。北朝鮮との分催案も完全に蹴った以上、韓国にとっての奥の手は完全に喪失したのである。

 ちなみに、韓国政府はここ最近の積雪量の減少を踏まえて、気象観測装置を平昌に設置するというが、気象観測装置を設置したからといって積雪量が増えるわけではない。

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(2009年バイアスロンワールドカップ時の平昌)

未だ会場建設は30%程度

 雪不足の問題に加えて、深刻なのが、会場設備の遅れだ。2015年9月の時点で、会場建設はいまだに30%止まりであり、合計12の会場のうち6カ所は新設の予定だという。2017年末には完成する予定だといわれるが、それでもスケジュール的にギリギリであり、当初の予定よりはかなりの遅れが生じている。

 なかでも、建設にもっとも手間がかかるといわれるボブスレー会場は特に着工が遅れており、さらには、氷のコースを造り維持する費用も莫大なものとなる。韓国当局は、節約のために新技術を開発したというが、複数回にわたる国際オリンピック委員会(IOC)の厳格な検査をパスする必要もあり、その進行は不透明だ。といっても、橋やデパートが普通に倒壊する国の技術である。慎重に慎重を重ねることは当然だろう。適当な競技場を作られ、オリンピック選手がみな建物の下敷きになって死亡などという事態が起これば、笑うに笑えない。

 一応のところ、国際オリンピック委員会(IOC)のグニラ・リンドバーグ調停委員長は、9月24日、江原道で開かれた第5次調整委員会議で「2018平昌冬季五輪大会の準備が順調に行われている」と述べたそうだが、同時に、委員らは「テストイベントの開催までにそれほど猶予はない。組織委員会は緊張を緩めてはならない」という苦言も忘れなかったという。韓国の主張するとおり、2年後の完成が楽しみだが、果たして、どうなることか。

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より深刻化している資金難

 会場設営と並んで深刻なのが、インフラ整備の遅れだ。一例として、空港と平昌を結ぶ鉄道路線の問題がある。

 実は、誘致の段階では、仁川国際空港と平昌の間にKTXの新路線を建設して69分で結ぶとぶち上げた韓国だったのだが、なんと、建設費が高額になる上に、オリンピック後の需要が見込めないという見通しの甘さにより、在来線と一部新線を使用することになったのだ。その結果、アクセス時間が107分と大幅に増加してしまった。これではまさに、作ります・作ります詐欺である。これはインフラ整備の遅れというより、明らかに失敗事例であろう。これだけでも開催地を返上すべき十分な事案だ。

 工事の遅れ、インフラ整備の遅れに加えて深刻なのが、財政の問題だ。大会運営のためには、インフラ関連を除いた予算の4割以上にあたる8530億ウォン(約920億円)をスポンサー支援で賄わなければならないが、2015年9月時点での契約社は依然6社にとどまっており、スポンサー契約額は未だ41%という厳しい数字だ。サムスングループがスポンサーに乗り出してくれたものの、それでも契約額は1000億ウォン。まだまだ足りない状況である。スポンサー企業には、法人税優遇措置を設けるなどとして必死の出資を呼びかける朴政権だが、それでも集まらない状況をみると、いかに韓国企業が、この平昌オリンピックに期待していないかということがわかるだろう。瞬く間にスポンサー企業が集まった東京オリンピックとは雲泥の差である。

 では、いざというときの税金はというと、平昌市はわずか人口5万人程度の小さな自治体であり、どう考えても、オリンピック開催資金を調達できるような市ではない。では国はどうかというと、韓国政府の財政そのものが火の車であり、支援するといっても、限界がある。たしかに昨今の韓国経済をみていれば、そんな余裕はないだろう。

( ゚д゚)っ⌒②に続くよ~♪
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