ワンダフルライフ 佐藤信夫④

金メダルを目指し、挑んだソチオリンピック。
だが、ショートプログラムで、誰もが目を疑う結果に…
フリーを翌日に控え、どん底の状態にあった浅田真央に、佐藤は、ある言葉をかけた。

『真央が倒れたら、止められてでも僕が必ず助けに行くから』

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実は、同じ言葉を、35年前にかけられた選手がいる。
佐藤の教え子だった、松村充。
レイクプラシッド・オリンピック、選考会の当日、松村は、フェンスに激突した。
膝に、歩くことさえできないほどの痛みが走った。
誰が見ても、出場は不可能だった。

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佐藤)充・・明日は・・
松村)僕は出ます!信夫先生、僕は絶対 出ます!
佐藤)お願いします!なんとか試合に出られるように、痛みを取ってやってください。
先生)そんなことをしたら、この子は歩けなくなりますよ。そうなったらあなたは、この子の面倒を一生見られるんですか?

その時、佐藤が返した言葉・・
『一生みるに決まってるじゃないか』

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そして、無理に痛み止めを打ってもらい、選考会を通過した松村。

松村「後になって振り返ると、あの時はこういう覚悟だったんだなとかね」

選手の人生さえ背負う覚悟

この佐藤の覚悟を強く実感したのは、それから1年後のことだった

松村は、レイクプラシッド・オリンピック直前に高熱で倒れ、練習もできないまま、試合当日を迎えた。
どん底の状態にあった松村に、佐藤はこう声をかけた。

『君が倒れたら、リンクの中まで、叱られてでも助けに行く。だから、ぶっ倒れるまで演技しろ!』

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もし、コーチが土足のままリンクに上がれば、ほこりや砂が撒き散らされるため、リンクの整氷作業が必要になり、試合は中断しかねない。

つまり、それは次の出番に向け、集中力を高める選手への『妨害』に等しい行為…
どんな叱責を受けても、おかしくなかった。

松村「だからそれって覚悟がなきゃ言えないじゃないですか。『誰に止められてもいい、俺はお前を助けに行く』って言った時に、すごいな、本当にそう思ってくれてるんだなって思った。」
 
佐藤の言葉は、松村の背中を押した。
最高の演技を見せ、見事8位入賞を果たした。

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僕がついているから、何も心配することはない…
君はただ、全力で滑ればいい…
この松村との話を、佐藤は浅田に言って聞かせた。
それを聞いた浅田は…

浅田「全身全霊で とにかく全てを出そうって思いました。」

そして、迎えたソチオリンピック、フリー演技…
佐藤と共に歩んできた、3年間の、全てをぶつけた。
それは、佐藤信夫の覚悟に、浅田真央が、渾身の演技で応えた瞬間だった。

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゚・*:.。. ☆(●´Д`)終ワリ!!(´Д`○)☆.。.:*・゜
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