ワンダフルライフ 佐藤信夫③

コーチとしての覚悟

佐藤コーチの1日を追った。
早朝5時半すぎ。
共にコーチを務める妻・久美子さんと向かったのは、新横浜のスケートリンク。

150831-3-2.jpg

すぐさまスケート靴に履き替え、リンクに向かう。
佐藤を待っていたのは、大勢の子どもたち。
佐藤が教えているのは、トップ選手だけではない。
まだ初心者の子どもから、大学生まで、試合の日以外は、毎日このリンクで教えているのだ。
その指導は、時間を区切ったマンツーマンが基本。
長い時は1日8時間以上、氷の上に立ち続ける。
選手が「やりたい」という課題に取り組ませ、できるまで、とことん待つ…

150831-3-8.jpg

できるまで、待つ

これが、佐藤の『コーチとしての覚悟』

佐藤に20年間師事している、小塚崇彦によると…

小塚「究極は怒ってガシャンっていう風になりますけど、それになるまで、ずっと待ち続けてくれる。
我慢してその選手を待ってくれるっていうのは、僕たちにとっては有り難いことで、自分に考える時間を与えてくれたり、自分の感覚を尊重してくれることが難しいところなんじゃないかなと思うので(そういう面では)名コーチだと思ってます。」

佐藤「フィギュアスケートというスポーツはあまりにもやることが細かい。だからひとつずつ教わってひとつずつ身につけていかないとその先に繋がっていかない。」

150831-3-1.jpg

だからこそ…
あきらめそうになった時は、厳しく怒る。

佐藤「本当は友達になりたいんだけど、友達になりきったら、言うこと聞かなくなるから、どうしても嫌われ者、怖い存在でいなきゃいけない。」

トップ選手に対しても、子どもたちに対しても、厳しい姿勢は変わらない。
そんな佐藤信夫コーチの、普段の顔は?

150831-3-9.jpg

現在、同じくフィギュアのコーチを務める、妻・久美子さんと、娘の有香さんに聞いてみると…

久美子「それがね…あんまりすごくないんですよね。普通の堅いおじさんっていう感じ。」
有香「時々、面白いジョークを言ってみたり、踊り出したり、すごく楽しい楽しいお父さんです。」

150831-3-3.jpg
150831-3-4.jpg

究極の覚悟

4年前のバンクーバーオリンピックで、銀メダルを獲得した浅田真央。
だが、そこに笑顔はなかった・・

その数ヶ月後…次のソチオリンピックに向け、浅田は決意した。
『もう一度、スケートを基礎からやり直したい』

浅田の弱点…それは、ジャンプの前後で動きが止まり、曲との調和が途切れてしまうことにあった。
そこで、浅田親子が選んだコーチが、スケーティングの基礎の指導に定評がある、佐藤信夫だった。

150831-3-5.jpg

佐藤「今さら、私がどうのこうのっていうことでもないでしょっていうことで、ちょっとお断りしてたんですけど…」

何度も世界の頂点に立ってきた浅田真央。
培ってきた技術は、体に染み込んでいる。
それをイチから直すということは、一流の選手を壊してしまう可能性だってある…
だが…

佐藤「お母さんのお顔を見てても、その時から決していい状態ではない。本当にあれだけお願いされたらやっぱり、それ(お母さんの思い)に負けちゃったって感じですね。」

150831-3-6.jpg

佐藤は、浅田真央のコーチを引き受けることを決意。
徹底的に基礎を叩き込んでいった。

佐藤「ビルを建てるのと一緒で、基礎がしっかりしていないと、ある所まではいっても、そこから先はちょっと難しい。基礎に時間をかけて、しっかりしたものを作れば、上にずっと積み上がっていく。」

150831-3-7.jpg

そして、互いに我慢と根気の日々が続き…
3年の歳月をかけ、2人が理想とする演技は、いよいよ完成に近づこうとしていた。

(´・ω・`)つ④に続く~◇
関連記事
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
コメント:
パスワード:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
page back