試合の格を理解している放送

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伊藤利尋: 世界フィギュア日本人初のメダリスト佐野稔さんに浅田選手の進化について詳しく伺いたいと思います。

佐野さん、真央ちゃん強かった。そして、改めて真央ちゃん自身がトリプルアクセルにこだわりを持っていたんだということを感じるそんな大会だったと思いました。

佐野稔: そうですねえ。で、やっぱり浅田さんにはトリプルアクセルがなくてならないものですね。今までショート、僕も今回今シーズントリプルアクセルなしのショートを何度も見ましたけども、違いますね。

ショートプログラム全体のものが、トリプルアクセル入ってすべてやり切るショートプログラムと、なしでやり切るショートプログラムではやっぱりね、価値がこんな違うし(手を大きく上に上げて差を示しながら)、たぶん浅田さん自身が滑っている中での、テンションの高さが全然違うと思う。動きが全然、うん。

伊藤アナ: これまでの『I Got Rhythm』とは全然違うんだと、こういう風に語っていました。で、大会後のコメントなんですが、「挑戦することが楽しみ。今大会は怖さよりもどこまで挑戦していけるかが課題だった」

敦さん、これまでずーっと我慢して敢えて回避していたトリプルアクセル。これにチャレンジできる喜びを真央ちゃんは感じていた。

田村淳: ねえ、本来ならあの大舞台で、成功させなきゃっていうプレッシャーに負けちゃいそうなところを、そこが楽しみだって変わってるっていうは、メンタルの強さもかなり昔と変わっているということなんでしょうね。

佐野さん: そういうことなんだと思いますね。そして、ある意味一時期下まで落ちましたよね。トリプルアクセルがやっぱり跳べなくて。そっからこう上がって来てますんで、そういう意味では非常に強くなったという風に言っていいと思います。

伊藤アナ: 佐野さんによるとね、3年前のバンクーバーオリンピックの時と比べてもトリプルアクセル同じなんですが、進化が感じられるということなんですね。

ひとつめの進化なんですが、跳ぶタイミングが、まあ比べればバンクーバーは遅かった。今回は早くなっているということなんです。3年前と比較して、ちょっとVTRで解説いただきたいんですが。まずはこれ、2010年バンクーバーの時です。

 進化①タイミング
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佐野さん:今ここで用意が始まって、ジャンプを跳びました。ここまでのタイミングっていうのが、まあこれ見ていただきますと、準備をして、跳びます。早くなっているんですね。

(本当だー)

はい、このタイミングの早さ、これちょうど自動で一緒にやるから分かるんですけど、もう跳んじゃっているわけです。バンクーバーの時のまあアクセルも悪くないんですけども、今回のアクセルの方が空中姿勢の確かさ。分かります?分かりにくいですねえ。僕にしか分かんないのかな。空中姿勢がしっかりしているんですね。なおかつ、

住吉美紀: 何となく重心が低いところにあるような気がします。

佐野さん: それもあると思います。それは太ももの違いだと思うんです。今の方が太ももがしっかりしているんですね。非常にいい筋肉として仕上がってる。ですので、まあGOEという話をしていいかどうか分かんないですけど、

伊藤アナ: 出来栄え点ですね。

佐野さん: 出来栄え点です。これが今回1.57とっているんで、これはすごい話なんですね。

伊藤アナ: 同じトリプルアクセルでも出来栄えはいいですよというジャッジの評価が加わってるということですね。

で、もうひとつトリプルアクセルについては、力強さが感じられたということなんですが、それは、

  進化②力強さ
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高さを求めていたバンクーバー、今回は遠くに跳んでいる。

佐野さん: これがね、今回は混ざったと見ていただければいいと思います。

伊藤アナ: 高く遠くへ。

佐野さん: 高くて遠くへ行っている。ということで、滞空時間も多少伸びていると思うんですね。まあ、滞空時間が伸びることで、結局ジャンプに余裕が出来ますし、なおかつ先ほどのGOEって話もありましたけども、そこにもまた結びついてくる。総合的に、要は浅田さんのトリプルアクセル自体がレベルが上がってるということですね。

伊藤アナ: いうことですよね。実はこれまでは佐藤信夫コーチについてとにかく基礎から真央ちゃんやり直すんだよっていうことを一生懸命佐藤信夫コーチがやっぱりここまでトリプルアクセルを回避させてきた ― それがいいトリプルアクセルに逆につながっていると、こういう理解でいいですか?

佐野さん: うーん、結局トリプルアクセルを中途半端な形で、その試合でやるんではなくって、完璧に仕上がってからやっていこうというのが、佐藤先生の作戦だったと思うんですね。ですので、今回まあ四大陸の前に仕上がりが見えた、という形で公表したと思うんですけども、そこまで本当にね、まあ2年半ですか?よくねえ、真央ちゃんも我慢したし、なおかつ佐藤信夫先生もよく押さえましたよね。浅田さんをね。

伊藤アナ: とにかく、ベースを強くするんだ。バンクーバーで涙を流したあの悔しさ、ソチでは絶対金なんだという中で、ベースの滑りに鬼の強さがあるとすれば、トリプルアクセルは金棒だって何べんも佐野さんにね、解説いただいて、まさにその金棒を今手にし始めて確認し始めている。

さらに3回転-3回転というもうひとつの金棒もということなんですけども、えーソチで金をとるという大目標に向けてなんですが、完成に近付いて来たそんな印象ですが?

佐野さん: はい、今回は僕はね、フリーでは3回転-3回転やらないのかなあと思っていたんです。というのは、ショートプログラム見た時にトリプルアクセルバシッと跳んで、3回転-3回転をショートではやんなかったんですね。だから、フリーもその同じ感じでやるのかなと思ったら跳んじゃったですね。

だから、私は非常にびっくりしました。はい、トリプルアクセルやって、しかもまた3-3もやっちゃった。うわぁーこれはすごいぞと思っていたんですけど。ですから、そこまで完成度も高くなっているというところだと思いますね。

伊藤アナ: いうところですね。ですから、ベースを強くする、真央ちゃん自身もその我慢というのは大変辛かったと思うんですが、ついに解禁されたトリプルアクセルそして3回転-3回転。

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いよいよソチに向けてなんですが、まずは3月に世界フィギュアが控えています。えっー、キム・ヨナとの対戦というのも予定されているんですが、まあ今シーズンキム・ヨナが得点としてはですね、201.61という得点を出した大会があるんですけども、ただ大会の格がですね、全然違いますし、まず真央ちゃんの方が得点が上回っている。まあ、キム・ヨナ云々よりも自分との戦い今のかたちでいかに精度を上げていけるかということになりますかね?

佐野さん: そういうことになってくると思いますね。で、まあ今回四大陸では真央ちゃんそのフリーがあまり良くなかったんです。ああ、まあ、本当にいいんですよ、いいですけども、自分なりにこことここをミスしているということがよく分かってるはずなんですね。

あと1ヶ月、それをええー次の世界選手権までどう調整してくるか―それと、今回はトリプルアクセルをショートであまりにもうまくやっちゃってノリが良すぎて、ショートで疲れちゃったんじゃないかなと。

(ああっー)

佐野さん: やっぱり、ノリ良くやるとね、スケーターは疲れるんですね。その疲れがやっぱり翌日に残りますから。そこまで計算はして練習はできてなかったと思いますので、次回はそこ計算して練習しますから、いいものやってくれるんじゃないかなと思いますね。

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伊藤アナ: そして、ソチに向けてなんですけども、そういった意味ではもっともっとショートでトリプルアクセルだけではなく、ここ(ショート)にも3回転-3回転を入れたり、(フリーで)トリプルアクセルを2回にしたりという工夫が必要になってくるんだろうということですか?

佐野さん: そうです。やっぱり、トリプルアクセルは2回欲しいし、ショートでもやっぱり3回転-3回転は欲しいです。もうここのレベルになると、最高難度になりますので、僕は220点~230点ぐらいの勝負になるんじゃないかなと。総合得点ですよ。

(すごーい)

佐野さん: 思いますね。

伊藤アナ: ただ、その得点が取れればもちろん放っておいてもライバル関係ない、真央ちゃんがこれに向けて練習する。あの「ガッツポーズしたくなかったんですよ」っていうコメントは僕深読みかもしれないけど、やっぱり真央ちゃんの最大の目標はソチで金を獲るためなんだろうなと。そこでこそという思いがあるのかなと感じましたけども。

バンクーバーでね、あの溢れ出る涙を我々見てますんで、ソチでは最高の笑顔を。それに向けて着実に来ているなとそんな印象を持ちました。佐野さん、どうもありがとうございました。

佐野さん: ありがとうございました。

住吉さん: ありがとうございました
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