橋田壽賀子さん、92歳になり安楽死を希望

安楽死で死なせて下さい (文春新書)
安楽死で死なせて下さい (文春新書) 新書 – 2017/8/18
橋田 壽賀子 (著)

文春オンライン
橋田壽賀子と安楽死#1「そろそろ、おさらばさせて下さい」という権利があってもいい
『安楽死で死なせて下さい』を書いた理由

投稿日時:2017/08/26  執筆者:「文春オンライン」編集部
http://bunshun.jp/articles/-/3859

橋田壽賀子さんの文藝春秋の新書を読んだ。正直、私は橋田さんの作品を良いと思った事はないし、おばさんが見るドラマと思っていたので、全然興味がなかった。どちらかと言うと、橋田作品は好きじゃない。

橋田さんのドラマを見ないのでよく分からないけど、セリフが多くて、酷い時はひとつのセリフが脚本5ページもあった。座ってじっくりとドラマを見ることができない主婦のために、テレビから離れて画面を見ていなくても耳だけで理解できるように状況説明のため、セリフで解説しているのだそう。役者泣かせの脚本家だと言われている。

で、読んだ感想は、橋田さんは原稿を原稿用紙とペンで書いている人なので、パソコンがどうも家にないらしい。安楽死については、スマホでネット検索して調べた程度なので、知識は浅い。でも、90過ぎてスマホを使える時点で、すごいと思うわ。

55歳までカナヅチだった橋田さんは木原光知子さんに指導して貰ったらしい。近所のホテルが閉鎖されたので、市民プールに行きたくないので、トレーナーについて筋トレをしているとのこと。92歳で水泳で鍛えた上腕二等筋のおかげで腕立て伏せができるそうだ。

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また、橋田さんが同年代の人と比べてふっくらしているのは、一日200グラム肉を食べるように医師から指導されたので、お手伝いさんに肉を200グラム使うメニューを作って貰っているそうだ。年を取ると筋肉が落ちるので、たんぱく質を摂った方がいい。筋肉が落ちるとボケやすくなる。鉄分不足はうつ病の原因なので、赤身を多く摂る方が良い。

橋田さんの最期について個人的な願望を書き記してある感じの内容。平穏死・過剰医療については、あんまり知識がないように思った。橋田さんは高血圧の薬を飲んでいるし、ありとあらゆる健診を受けているようだ。

成人病が生活習慣病と名前を変わり、諸外国と比べて基準値を下げて、薬を服用する人口がぐっと増えた。一番の予防策は病院にはなるべく行かない事。検査を受ければ受ける程、本来知らぬが仏で自然死できた病気を発見されて、手術をしたり濃厚医療で苦しみながら死ぬはめになる。

橋田さん自身は認知症になったら、安楽死して欲しいと願っている。もし認知症になりかけたら、有名なディグニタスではなく、エグジットにお手伝いさんと一緒にスイスに行くつもりだと言う。

橋田さんの無駄な延命は受けたくないし、ボケたら死なせて欲しいと思っているという心がけはいいと思う。その考え方は戦時中によって青春時代を奪われた事に起因するようだ。

橋田さんは「友達はいらないし、いない」と断言している点を鑑みると、ソリタリー気質の人なんだけど、静岡県出身の亭主関白で4つ年下のTBSのプロデューサーの岩崎嘉一さんと41歳で結婚している。本当に孤独を愛する人なら生涯独身だと思うんだよね。

石井ふく子という橋田さんと50年以上のつきあいのあるTBSテレビプロデューサーに、岩崎さんとの仲を取り持って貰ったらしい。この岩崎さんという人はバブル期に橋田さんの原稿料を株の運用に回していたので、死後に売却したら2億7千万円にもなったらしい。小泉チルドレンだった杉村太蔵より岩崎さんの収益率はすごいわ。まあ、橋田さんは収入が半端ないからね。

橋田さんは今の方が若いと思う。現在、92歳。頭がしっかりし過ぎ。90歳超えて、やっと仕事の依頼がなくなったと。その意欲、どこから来るんだろう。橋田さんは同世代の女性としては珍しく仕事に生きた女性で、充実した人生だったと思うが、本人はボケずに健康で長寿なのに長生きがいいと思わないとのこと。

橋田さんは今のヘアスタイルとファッションになるのが早かったというか、新婚旅行で台湾に行った写真が、50年前なのに今の橋田さんと変わらない。早く老けて、老人になった方が若いという森光子現象のように感じる。(人と逆の老化現象)

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橋田さんはお父さんが愛媛県今治市で、お母さんが徳島県藍園村(現板野郡藍住町)の人で、日本統治時代の朝鮮の京城(現ソウル)で生まれている。私の母親も同じ京城生まれ。ちょっと親近感が湧いてきた。

日本で教育を受けた方がいいからと、9歳でお母さんと帰国し、大阪で暮らし始める。お父さんは京城に単身赴任のまま。お土産屋さんを経営していたとのこと。橋田さんは朝鮮から戻って来たということで、小学校でいじめに遭ったらしい。「竹林はるか遠く」の擁子さんみたいだ。

竹林はるか遠く―日本人少女ヨーコの戦争体験記
竹林はるか遠く―日本人少女ヨーコの戦争体験記 単行本(ソフトカバー) – 2013/7/11
ヨーコ・カワシマ・ワトキンズ (著, 監訳), Yoko Kawashima Watkins (原著), 都竹 恵子 (翻訳)

女学校時代は女子挺身隊として軍需工場に行き、日本女子大に在学中に戦況悪化のため、大学が閉鎖になり、お父さんのつてで海軍の経理で働いた。そこで、物資を洞穴に隠して、闇市で大儲けしていた将校を見て、腹が立って仕方なかったとのこと。

女子大は学生寮に入ることになり、相部屋で先輩にいびられ、トイレ掃除が今と違ってゴミ処理が大変だった。料理は橋田さんのお母さんが教えてくれなかったせいで、大学に入って初めて料理をすることになり、お嬢様達に嫌味を言われ気が休まることなかった。

戦争で同世代の男性がおらず、男性は復員して来たら、若い女性と結婚するので、同級生は生涯未婚だった人が多かったと言う。昔は皆婚社会だったので、独身の肩身は狭かったでしょうね。現代はお節介おばさんがいなくなり、見合いが少なくなり、非正規の増加により、2035年に単身が家族世帯を上回る。

あの当時、大学に進学する人は少なかったので、高学歴が故にそれに釣り合う人が見付からなかったのだと思う。女に学歴は要らないというのは、結婚相手が見付からないからなんだよね。

小卒で職人に弟子入りする時代だし、女性は女学校を出て、さらに上の学校には行かなかったから、16歳になる歳から家業を手伝ったり、サラリーマンの家庭は花嫁修業=家事手伝い=ニート状態だったんだけどね。

戦前の方が教育制度が多種多様で、学校教育に職業訓練コースが用意されていたのに、GHQがアメリカ教育使節団を連れて来て、今のような仕事に役に立たない教育制度に変えてしまった。

アメリカ教育使節団報告書 (講談社学術文庫)
アメリカ教育使節団報告書 (講談社学術文庫) 文庫 – 1979/1/10
村井 実 (翻訳)

橋田さんの両親は農民の出なので、日本女子大で士族や城主や華族や軍人の娘が意地悪でなおかつ上品ぶって、嫌いだったと。敗戦により、身分制度が消えて良かったし、農地解放で地主と小作人という身分がなくなって良かったと思ったんだと。

橋田さんは思想的なものは感じないし、右翼ではないことは分かるけど、左翼という感じもしない。けれど、身分制度がなくなったということは、戦後利得者=敗戦利得者がいるということなんだよね。私の両親は敗戦喪失者なので、戦後苦労した話を聞かされて育った。

日本女子大を出た橋田さんは早稲田に進学し、演劇に夢中になり、一時期は女優を目指したとのこと。あのショートヘアでメガネで金持ってるのにダサい服着てるおばさんが、24歳ぐらいの頃は美人だったのでびっくりした。年月は人を変えてしまうのだ。

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橋田さんは同級生と違って家がそこまで豊かじゃないので、自分で稼いで学校を卒業したことを自負している。それは素晴らしいし立派だと思うけど、昔は給料も安いとはいえ、学費が比率として今ほど高くなかった。今の学費は奨学金を借りたら、正社員であっても返済し終わるのが35歳ぐらいまでかかる。

NHKの朝の連ドラ「おしん」は橋田さんの叔母さんの疎開先が山形で戦災に遭ってない豊かな自然を見て、ドラマの舞台にした。おしんの奉公先で親友になった東てる美扮する八代加代役のアイデアは戦後いい所のお嬢様が没落していく姿を見てヒントを得たとのこと。

橋田さんが描く嫁姑問題は実体験。橋田さんのご主人はマザコンで、お墓はお義母さんと入りたいと希望し、ご主人の兄夫婦も入っており、義兄から橋田さんは入れないと言われたらしい。橋田さんも死後まで嫁姑で苦しみたくないので、内心は嬉しかったと。橋田さんは愛媛県今治市のお父さんの出身地にお墓を買った。

子なしの橋田さんを気の毒だと言っていた友人が80過ぎて孤独死した。夫と死別し、子供を二人育て、孫の面倒を見て、自分の事を後回しにして家族のために尽くしてきた。息子一家と同居するために、二世帯住宅にリフォームしたら、お嫁さんから同居を拒否された。

橋田さんは友人がやっと一人になれたと思って、気持ちを入替えたらいいのにと言う。一人になって今までやれなかった事をやって、自分だけの時間を楽しめば良かったのにと言う。その友人は子供達が家に訪ねて来ず、死後発見が遅かったらしい。

橋田さんの言う通り、既婚未婚・子ありなしを問わず、心中でもない限り、人間は一人で死ぬのだ。家族がいようがいまいが、自分一人で過ごせる力というか、趣味や楽しみを持っていない人は、精神的に辛い。家族を生き甲斐にしたら、裏切られることになると橋田さんは言う。

橋田さんは財団を作れるぐらいお金を持っている。財団を作るお金は上にあるように、ご主人の投資資金と足りない分は先に脚本を書くことを借金の形としている。財団より慈善団体に寄付したらいいのに、自己顕示欲がすごいなあと感じた。

橋田さんはものすごくたくさん仕事をして来た。謙遜して二流脚本家と言うけど、才能があり、運もある。そして、時代も良かった。隠居後の今、脚本家のご本人がドラマがつまらないので、情報番組・バラエティ・お笑い・旅番組を見ているのだそう。

橋田さんは今ヘルパーではなく、お手伝いさんを6人雇って午前中に仕事を終わらせて貰い、午後は一人の時間を過ごす。ご主人がまだ家にいる気配がするのだと言う。裕福な老人でないと、こんな豊かな老後は過ごせない。仕事を辞めたのなら、家事ぐらい自分でやったらいいのにと思うけど、金が余ってるのでなるべく使い切って死にたいんでしょうね。

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NEWSポストセブン
タモリの「友達なんかいらない」に橋田寿賀子が共感する理由
配信日時:2017.01.22 07:00
https://www.news-postseven.com/archives/20170122_486182.html

あんなに仲が良い泉ピン子の事を友達だと思わないらしい。橋田さんはきつくてつれない性格なんだね。

【追 記】

テレビがないので知らなかったのですが、NHK クローズアップ現代+で橋田壽賀子さんの特集が放送されていたのですね。

NHK クローズアップ現代+
92歳の“安楽死宣言” 橋田壽賀子 生と死を語る
放送日時:2017年9月26日(火)
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4038/

NHK クローズアップ現代+
橋田壽賀子 92歳の“安楽死宣言”
投稿日時:2017年10月5日
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiji/036/index.html

Togetter
92歳の“安楽死宣言” 橋田壽賀子 生と死を語る #クロ現プラス #NHK
作成日時:2017年9月27日
https://togetter.com/li/1155201

何でこの放送があったのか知ったきっかけは、クイズダービーでおなじみの篠沢秀夫教授(安楽死反対派)の訃報だったんです。1ヶ月経って知るという情弱ぶりですが・・・。
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コメント
この記事へのコメント
こんばんは。チューハイ吹いた時はせき・くしゃみの際に少し横を向いて口に手を当てる癖が出たので画面は無事でした。お騒がせしました。
橋田壽賀子さんですか…私もこの人の作品の良さがわかりません。「渡鬼」は20年以上前に見たきりです。濃密な人間関係に辟易しました。橋田壽賀子賞、なんていうのの贈呈をしていた財団があったのは亡き夫の財テクの賜物だったのですね。それにしても優雅な暮らしぶりですね。お手伝いさんが6人もいるのは「ほえー( ・◇・)」だし、彼女の半分近い年齢の私だって日にお肉を200グラムも食べていませんし。『憎まれっ子なんとやら』で健康を害することもなさそうですね。
しかし、この手の高齢者への生き方指南書みたいな本が多いですね(佐藤愛子なんて「90才、何がめでたい」と似たようなのをここ十数年間何冊も出していますしね)。
本といえばノーベル文学賞、カズオ・イシグロでしたね。出身地域で括られるらしいので、毎年日本のマスゴミに騒がれるアノ方の受賞はこぱんだ様のおっしゃっていた通り、20年ぐらい先になりそうですね。
気温が下がってきました。風邪など召しませぬよう。
2017/10/19(木) 03:30 | URL | がま #-[ 編集]
がま 様

こんにちはー||*´ェ`)ノ コ..コンニチワァァ コメントありがとうございますー(*・ω・)v Thanks!!

> チューハイ吹いた時はせき・くしゃみの際に少し横を向いて口に手を当てる癖が出たので画面は無事でした。お騒がせしました。

パソコンでご覧になっていらっしゃったんですね。画面に被害が及ばなくて良かったです。くしゃみの時に鼻に飲み物が入ったら痛いですよね。

> 橋田壽賀子さんですか…私もこの人の作品の良さがわかりません。「渡鬼」は20年以上前に見たきりです。濃密な人間関係に辟易しました。

「渡鬼」はちょこっと見てつまらないので、一話丸ごと見た事がありません。朝ドラの「春よ、来い」を切れ切れに見たぐらいですね。途中、安田成美の降板騒動がありました。「おしん」は子供だったので見る事ができませんでした。

> 橋田壽賀子賞、なんていうのの贈呈をしていた財団があったのは亡き夫の財テクの賜物だったのですね。それにしても優雅な暮らしぶりですね。お手伝いさんが6人もいるのは「ほえー( ・◇・)」だし、彼女の半分近い年齢の私だって日にお肉を200グラムも食べていませんし。『憎まれっ子なんとやら』で健康を害することもなさそうですね。

バブル期とはいえ、ご主人の財テクの技術はすごいですね。それだけ稼いだら、私だったら隠居しますね。きっと橋田さんのドラマを見るのを楽しみにしている層がいるんでしょうね。

ヘルパーではなくお手伝いさんを6人雇っているというのがお金持ちですよね。介護されるような衰えではないし、お金があるから公営のヘルパーは申請しても却下されるでしょう。ご本人も国保を1割負担ではなく、3割支払っていいとおっしゃっています。

お肉は炭水化物を摂るより体にいいという説もありますね。動物性たんぱく質を一切摂らないというベジタリアンよりお肉を摂っている人の方が健康だというのが最近の定説のようです。

> この手の高齢者への生き方指南書みたいな本が多いですね(佐藤愛子なんて「90才、何がめでたい」と似たようなのをここ十数年間何冊も出していますしね)。

私は佐藤愛子さんという方を存知なくて、がま様に教えていただいて初めて知りました。とにかく今のお年寄りは長生きです。大正生まれで戦時中に若者だった人は心身ともに頑健なのでしょう。ストレスの度合いが違いますから、これからの人は90歳代まで生きるとは思えません。

> 本といえばノーベル文学賞、カズオ・イシグロでしたね。出身地域で括られるらしいので、毎年日本のマスゴミに騒がれるアノ方の受賞はこぱんだ様のおっしゃっていた通り、20年ぐらい先になりそうですね。

ハルキさんはそれこそ90超まで生きて、受賞したらいいんですよ。その頃は、他に流行の作家が活躍していて、ハルキさんは寂しい老後を送っているかもしれません。とにかく、南京大虐殺40万人という記述を訂正しなさい!と思いますね。

> 気温が下がってきました。風邪など召しませぬよう。

突然、冬がやってきましたよー(((o゚Д゚))。o(寒ィナァ…) 少し前まで冷たい飲み物で半袖着ていたのに、温かい飲み物にシャワーの温度も上げて、毛布出して、もちろん長袖でというぐらい冷えてきました。月曜日はババシャツを中に着ていました。北海道は初雪が降ったそうですね。がま様のお住まいは大丈夫でしょうか?お気遣いありがとうございます!!
2017/10/19(木) 13:10 | URL | だらごろこぱんだ #u4iln8sM[ 編集]
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