慰安婦問題を作った男の肖像①

新潮45 2016年 09 月号
「吉田清治」長男、衝撃の告白  「慰安婦像をクレーン車で撤去したい」 慰安婦問題を作った男の肖像

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アフ口(左)、時事通信社

生年も出身地も定かでなく、学歴も経歴も不明。そして名前はいくつもあった――。謎に包まれてきた「吉田清治」の正体を長男が語った。


大高未貴(おおたか みき)[ジャーナリスト]
1969年生まれ。フェリス女学院大学卒。100か国以上を放浪。ダライ・ラマ一四世、アラファト議長などにインタビューした。主著に『ISISイスラム国残酷支配の真実』。


止まらない日本バッシング

 平成二六年八月五日、朝日新聞は朝刊一面で「慰安婦問題の本質 直視を」と 自社の立場を説明する記事を掲載したうえで、一六、一七面の見開き全面を使って「慰安婦問題 どう伝えたか 読者の疑問に答えます」と題する同問題の検証記事を掲載した。八〇年代から同紙が執拗に報道してきた慰安婦問題の記事について、各界から疑問や批判が高まったため、やむなく対処した格好だった。
 
 ここで同紙は、初めて「慰安婦狩り」をしたと話してきた吉田清治氏の証言を「虚偽」と判断、一六本の記事を撤回した。だが、二日続いた検証記事では謝罪の言葉がなく、そこにも批判が集中したため、九月一一日、ついに木村伊量社長や杉浦信之取締役らが会見を開き、謝罪するに至ったのだった。
 
 あれから二年。
 
 国内では、教科書から慰安婦問題の記述が消え、ある程度決着がついたように見える。だが、海外では解決どころか更なる悪化を見せている。慰安婦問題を「最終的かつ不可逆的に解決する」とうたった昨年末の日韓合意締結後にも、アメリカやオーストラリアで、在米・在豪韓国入、中国系活動家らによる反日ロビー活動に拍単がかかり、新しい慰安婦像の設置の動きも加速している。また史実にそぐわない慰安婦問題の記述が米国カリフォルニア慢の高校教科書に掲載されることが、今年七月、教育委員会の満場一 致で決定された。これが他州に及ぶ可能性もある。

 何より問題なのは、「吉田証言」を根拠とするクマラスワミ報告が撤回されなかったことだ。

 クマラスワミ報告は平成八年、国連人権医院会の決議に基づいて提出された日本への非難勧告書だ。そこでは、第二次世界大戦終了時に行われた米軍の「慰安婦」等への聞き取り調査とともに、吉田証言が重要な証拠として出てくる。

 中にはこうある。

 「強制連行を行った一人である吉田清治は戦時中の体験を書いた中で、国家総動員法の一部である国民勤労報国会の下で、 他の朝鮮人とともに1000人もの女性を『慰安婦』として連行した奴隷狩りに加わっていたことを告白している」

 平成二六年、外務省の佐藤地(くに)人権人道担当大使は、作成したラディカ・クマラスワミ女史と面会し、朝日新聞の吉田証言による記事は虚偽であったとする訂正報道に従い、吉田証言の引用部分の撤回を申し入れた。だが彼女は「吉田証言は証拠一つに過ぎない」とし、いまだそれに応じていない。

 また、韓国政府も平成四年に「日帝下軍隊慰安婦実態調査中間報告書」を作成して吉田証言を採用しているが、それを取り消したという話は聞かない。

 朝日新聞が吉田証言の記事を撤回しようとも、国際的には事態がまったく改善されていないのだ。「(慰安婦は)残虐性と規模において前例のない二〇世紀最大の人身売買のひとつである」というアメリカ合衆国下院一二一号決議は、いまも生きている。

 慰安婦問題最大の焦点は「日本軍が慰安婦を強制連行」したかどうかである。 だが日韓両政府が血眼になって記録を調べても、それを証明する公文費賢料は見つかっていない。だから山口県労務報国会下関支部の動員部長だった吉田清治氏の「軍の命令で朝鮮人女性を強制連行し慰安婦にした」という証言が重要だったわけだ。だがそれが虚偽であることは、 朝日新聞の撤回を待たずともはっきりしていた。当の清治氏自身が、週刊新潮の取材にこう答えているのだ。
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